ゲイ界の橋本環奈というパワーワード(2023年6月8日)
広末涼子のW不倫騒動のニュースで見かけた強力なフレーズ、「ゲイ界の橋本環奈」。ご本人である鳥羽周作氏も笑いながらネタにしていることに甘えて、ここからあれこれ考えてみたい。
最大の疑問は、ゲイの皆さまの美醜の好みはそれほど画一的なのかどうかという点。鳥羽氏のビジュアルはオシャレなタイプで万人受けする清潔感あふれるタイプの方ながら、例えば「キムタク」のように「殆どの人がイケメンと認める」タイプではない。体型もどちらかといえば、ぽっちゃりタイプのようだ。その方が「橋本環奈」の異名で知られるほど多数の支持を得るということは、ゲイの皆さまの美醜の好みがかなり偏っている可能性を感じざるを得ない。
少しウェブで調べてみたが、「イケメンではなくてデブとマッチョ」、「顔より肉体」ということらしい。確かに子孫を残すことはないので、顔のきれいさにこだわる必要がない点は納得がいく。そうなると、金銭的に裕福か(つまりデブ)、若しくは身体的に優れている(マッチョ)に惹かれることは納得的だ。言い方を変えれば、来世(子孫)を気にしなくてよいので、現世で楽しさを満喫することを重視する構図だろう。
ここまでゲイについて書いたので、レズの方についても調べたところ、レズの皆さまの間で人気なのは「フェム系」(つまり女性らしい)であり「見た目重視」とのこと。勿論それが全てではないものの、一般的な傾向としてはそうらしい。ただ、その理由をあれこれ考えても、ゲイの場合の「デブとマッチョ」で考えたような理由がどうも思い浮かばない。レズであっても金銭的に裕福か、身体的に優れている人を求めるほうがわかりやすいのだが。
もう少しあれこれ考えてみよう。
Apple Vision Proは将来オフィス利用されるデバイスになるか(2023年6月6日)
とうとうAppleからVRゴーグルが発表された。とは言っても一般的なVRゴーグルとはかなり異なる。眼球の動きや(素手の)手の動きがトラックされて操作に反映される。動画を見て「マイノリティレポート」を思い出した50代のおっさんは多いはず。未来はここまで来たか。
但し気になるお値段は3500ドルからなので、気軽には手を出せる金額ではない。90年代初めのパソコンの値段が思い出される。感覚的には50万円近く。昭和のオッサン的には軽自動車1台分に思える。スズキアルト、47万円だったし。
この製品、最終的にどうなるのだろうか。10年後に今のiPhoneやiPadと同じくらい普及する未来があってもよいと思う。そのカギはオフィス利用ではないか。法人が購入できるくらい、実務に使えるかどうかがポイントになりそうだ。要はワード、エクセルが使えるかどうかだ。
その為には入力がしやすくなることが大前提だ。発表されたApple Vision Proでは指と音声、目線で操作することになっている。手元のキーボードやマウスも使えるはずだが、デバイス内の空間で入力が完結できる仕組みがあれば、使い勝手は飛躍的に高まる。そうなると、やはりマイノリティレポートのトム・クルーズの再現みたいになるのだが。
ビデオ通話やビデオ会議に使えることも重要だ。今はゴーグルをかけているので難しが、表情を読み取って写真の表情を動かすような仕組みは出来ないものか。そうすれば、女性の化粧問題はなくなるし、写真を加工することでアバターのようにもできる。可能性としてはありそうだ。
コスト的には今の半額くらいが一つの目安だろうか。25万円なら私も喜んで購入するのだが。
リクルートの「サクラ」行為で企業が謝罪する構図が日本的(2023年6月5日)
学生向けセミナーにおける「サクラ」行為についてリクルートが謝罪しているが、そんなに悪いことだろうか。報道によれば、社員が学生を装って質問を行ったケースがあったらしい。要は「質問が出ない場合」のきっかけ作りとして社員が質問していたと思われるので、気の利いた社会人なら誰もが一度や二度は経験があるはず。報道しているマスコミの記者側も同様の経験があるのではないか。
日本人の参加が多いセミナーでは質問が出ないことが多い。しかも大半の場合、質問したい事柄はあるのに、質問しづらいというだけの理由で遠慮しているケースなのだ。だから、サクラを用意してきっかけを作る。誰も損していない。何が問題なのだろうか。
海外では「何が問題か?」と切り捨てられる話。なのに、マスコミが企業を謝罪に追い込み、企業が謝罪する。マスコミがそれをニュースにする。色々無駄が多い。誰が得するのか。本当にわからない。
ステーブルコインの未来が見えない。結局CDBCに競り負けるのではないか(2023年6月4日)
日本でもステーブルコインの発行が可能になった。6月1日から改正資金決済法が施行されたためだ。発行が可能になったとは言え、どのような使われ方があるのか、今一つピント来ない。
新聞報道等では、主として法人による利用、特に貿易決済を想定しているようだ。確かに貿易決済でステーブルコインを利用すれば、いわゆるdeliver versus payment、支払と船荷証券引き渡しを輸入者と輸出車が直接やり取りできる。これだけでもなかなかのメリットだと言える。
ただし企業側から見た場合、発行元のリスクがどの程度織り込むかで取り扱いが変わってきそうだ。ステーブルコインは裏付けとなる金融資産を保有していることが大前提であるし、金融庁等の認可も必要になる筈ので、信用力は銀行と類似の考え方を適用しても問題はなさそうだ。但しそれでも、1回が数億円から数十億円の貿易決済を行う以上、ステーブルコイン発行元の信用力を分析管理することが必要になる。電子決済手段である以上、ハッキング等の詐欺的手段で資産が奪われる可能性も否定できないことを考えるとやむを得ない。
それを企業視点から考えると、ステーブルコイン利用のメリットはかなり削がれてしまう。確かに貿易決済がより円滑に行えることは魅力だが、それに伴う諸々の信用リスク管理を考えると、総合的なメリットは高くないと考える企業も出てくるはずだ。
こうして考えると、企業が使うのはCBDC、Central Bank Digital Currencyが適当ではないか。プライバシーの観点でCDBCに対して警戒する個人は少なからずいるようだが、企業であればそのような懸念はない。ステーブルコインは個人の少額決済であれば使われると思うが、それで果たしてステーブルコインの発行元は収益化が可能なのだろうか。そもそもステーブルコインの未来がよくわからない。
お好み焼きが海外で普及しづらい理由?(2023年5月22日)
G7サミット中に英国のスナク首相がお好み焼き作りに挑戦したことが話題を呼んでいる。駐日英国大使館の公式Twitterで公開された首相の笑顔がとても印象的であり、広島カープ靴下のエピソードと併せてスナク首相の好感度アップに繋がっているようだ。
ではお好み焼きが海外に普及する可能性はあるのだろうか?結論から言えば想定しづらい。寿司、天ぷら、ラーメン、カツカレー等、多彩な日本料理が世界に普及しているが、お好み焼きが今後大きく展開するだろうか。想像の域を出ないが、その可能性はあまり高くないように感じる。そこでお好み焼きが海外で普及しづらい理由を考えてみた。
一つ目は「何がはいっているかわからない」ビジュアルではないか。茶色のソースにはなれることが出来ても、中身に何が入っているのか想像がつかないのはハードルが高い。寿司、天ぷら、ラーメン、カツカレー、程度の差はあるが、比較的食材が想像しやすい。これは異国の食べ物をトライする際の大きな分岐点ではないか。
二つ目としてはたこ焼きとの競合が考えられる。日本でも海外でも共通しているかも知れないが、粉ものメニューにおいてたこ焼きとお好み焼きは完全に同一カテゴリーであり、材料もかなり似通っている(ように見える)。しかも、たこ焼きには「(冷凍食品等もあって)調理しやすい」、「皆でシェアしやすい」等のアドバンテージがあり、お好み焼きは競り負けてしまう。なので、レストランのメニューにおいてたこ焼きが選ばれてしまい、類似メニューのお好み焼きは選外となる構図だ¥ではないか。
三つ目は、これは海外の一般家庭に普及する場合のハードルだが、必要な食材が海外では調達しづらいことだ。お好み焼きの材料は多彩且つ代替が効きづらいものが多い。お好み焼きソースに鰹節、青のり、お好み焼き粉、日本式マヨネーズなど。これらは海外での調達が難しい上に、お好み焼きの独特な味と風味を醸し出す重要な材料であるため、替えが効かない。その点、寿司も似たようなものだが、スペシャル感のある寿司のほうが、まだ「敢えて調達する」ハードルが低いと思う。
だからと言ってお好み焼きに普及して欲しくないわけではない。必要な食材をワンセットにして販売する等の企業努力があれば、一般家庭に普及すると思うし、「何が入っているかわからない」問題は知名度さえ上がればすぐに解消する。ラーメン、カツカレーに続く、日本のB級グルメメニューとして広まって欲しい。
ウクライナの復興資金をどうやってファイナンスするのか(2023年5月21日)
G7は滞りなく終息し、ゼレンスキー大統領は狙い通り存在感を発揮することが出来た。まさに役者ばりの見事な立ち回りだ。レーガン大統領も大成功したように、政治家の重要な資質は演じることだと改めて思い知らされる。
まだ戦争が終結する見込みが立たない中で気が早いかも知れないが、今後はウクライナの復興支援に焦点があたってくると思われる。しかし、その費用は膨大は。2023年3月に世界銀行等が発表した推計ではウクライナの復興・復旧に4110億ドル、日本円で54兆円が必要とされている。この数字はウクライナの国内総生産の2.6倍に相当するようだ。
この数字でもまだ控えめとなっている可能性はある。ウクライナ政府側は復興費用をもっと多額に見込んでいる、昨年秋の時点で、ウクライナのデニス・シュハミリ首相は復興費用を7500憶ドルと見積もっていると発言している。彼らの立場からしたら、より多額の見積もりを出して損をすることはないので、金額がインフレしやすいのは致し方ないが。
では、これまでの支援額はどれくらいか?分かりやすい統計は見当たらないが、今年1月までの累計で米国で712億ユーロ、EUが355億ユーロ、英国が98億ユーロとなっている。なので、これら以外の国を入れると恐らくは1500億ユーロ規模、米ドルだと1650億米ドルくらいか。但し、これらの援助の大半は軍事援助だ。例えば米国では712億ユーロの大半は軍事援助になっている。復興支援等で必要は非軍事の財政支援は現時点では全体の金額の半分以下と推定される。
今後、G7各国は復興資金をウクライナに援助するだろうか。多少の支援は行うが、軍事援助ほどの勢いはないはずだ。軍事援助の良いところは自国に資金が還流することだから、特に米国、英国は積極的に取り組んでいる。一方で財政支援はそうならない。ウクライナにとっては大事な費用だが、G7各国の視点ではメリットに乏しいのだ。
なので、ロシア中銀資産に関心が集まるのもよくわかる。各国で凍結されたロシア政府が保有する外貨準備は3000憶ドルにのぼるので、仮にこれらが充当できればウクライナ復興関連のファイナンスはほぼ目処がたつことになる。
今後、ロシア中銀の凍結資産を流用できるような法整備が急速に進む可能性が高い。その場合、ロシアがどのように反発するのか心配だ。日系企業を含むG7諸国企業の資産接収を進めることにならないと良いが。
なぜ四大文明の繁栄は続かなかったのか(2023年5月8日)
四大文明はなぜ長続きしなかったのか。考えてみれば不思議である。最近、中東の国をいくつか訪れて改めて感じた。文明が未発達な中でも多くの人口を支えるだけの農作物が収穫できた豊かな土地である。その後も繁栄が継続出来なかったのは何故だろうか。
歴史を概観すると、四大文明の各地域はそれぞれ繁栄はしていたが、他地域との比較で競り負けたというのが実態だろう。そもそも肥沃な土地を擁して周辺国の支配は受けた時期はあったものの、それぞれ豊かな文化を形成し繁栄していた。しかし後から勃興してきた欧州各国に競り負けて支配され、現在に至っているということだ、
面白いのは四大文明全てにおいて英国が支配勢力として登場していることだ。インドにおいては1600年代から経済活動の拠点を設置し、1858年のインド帝国設立に至るまで徐々に勢力を浸透させた。中国では1700年代に進出し、1839年の阿片戦争を経て香港の割譲や主要港の開港を勝ち取っている。エジプトは多額の借款を梃にして1875年に保護国としており、イラクについては第一次世界大戦で敗戦国となったオスマン帝国から割譲を受ける形で1920年に委任統治領としている。四大文明が束になっても英国に敵わなかった構図だ。
英国がここまで力をつけたのは1700年代半ばから始まった産業革命が大きい。産業革命が英国で最初に起こったのは社会や経済面での環境整備や資本の蓄積等の要因もあるが、決定的な差となったのは市場と原材料供給の二つの役割を果たす植民地の保有だ。海洋国家として物流も押さえていたことも大きい。スペインやオランダから良い時期に海洋覇権を勝ち取っったことも幸運だったと言えよう。
そして英国を含む欧州地域がここまで力をつけたのは戦争が継続して発生したからだ。欧州諸国は1500年代から1700年代にかけて新大陸やアジア・アフリカ地域の植民地化を進めたが、それが可能になったのは欧州勢力が軍事力で優位にあったからであり、それは地域内で頻繁に発生する戦争を通じて武器製造の技術が飛躍的に伸長したからに過ぎない。
つまり最終的に重要なのは「軍事技術力の優位性」ということになる。少し前までは軍事オプションは過去の遺物扱いされていたが、ロシア・ウクライナ戦争でも軍事力の重要性が再認識されている。日本も軍事技術力を高度に維持する方策を考えたほうがよさそうだ。