一歩下がって考えてみた-Black tee thinking

50代、海外在住です。日々気づいたことを書き溜めています。

職場結婚が減少~逆に中年以上の職場(疑似)恋愛が増えるのでは?(2023年4月10日)

職場結婚が減っている。1990年代には職場で知り合って結婚する人の割合が3分の1以上あったものが、最近は2割程度に落ち込んでいるとのことだ。よく言われるが、昔は大手企業ほど職場結婚が多かった。例えば商社に就職する一般職女性は花嫁要員であり、女性もそれを期待して就職している。身元のしっかりした女性を採用するので男性側も安心できるし、商社では機会の多い海外赴任を考えても早く結婚してもらったほうが都合がよい。皆ハッピーのこの制度が機能しなくなってきているのだ。

その最大の背景はやはりセクハラだ。仮に職場に好みの異性がいても、アプローチの仕方次第ではセクハラに繋がってしまう。身近な職場内で相手の素性を掴めるメリットはあるものの、セクハラリスクや失恋リスク、更に社内の風評リスクなど、リスクファクターが多すぎるため、「それなら社外のほうが気楽」と考えるのは自然だろう。

では社内恋愛は廃れてしまうのか。私は逆に中年以上の落ち着いた職場恋愛(若しくは職場疑似恋愛)には底堅い需要があるのではないかと考える。そもそも男女が同じ空間に長時間いれば、みな清く正しくいられるものでもない。それでも、若い女性は社外でも自分が通用しやすいので社内恋愛市場に参入するメリットはない。一方で、既婚、未婚を問わず中年以上の女性であれば「自分」の適正価値も知っているので、落ち着いた大人の付き合いが増えるのではなないだろうか。

ここで大人の付き合いと書いたが、別にそれは恋愛ステージを最後までクリアするという意味ではない。むしろ、恋愛感情をお互いに敢えて確かめない、疑似恋愛のような付き合いが増えるのではないか。ポイントは中年以上という点だ。地位も経験もあるので、お互いにがっつくことはない。余裕をもって会食を重ねて、相手と駆け引きをしながら友達プラスアルファの立ち位置で付き合う、そういうイメージだ。一線さえ越えなければ、何の問題もない。

今でもそういう付き合いの人を確保している中年以上の男性・女性は一定数いると思うが、それは職場恋愛の「延長戦」であり、ここで書いた職場(疑似)恋愛とは少し異なる。職場恋愛が出来ない今の若者が落ち着いて年を重ねて、新鮮な気持ちで職場(疑似)恋愛に参入する、そんな日が早く来て欲しいと思う。