一歩下がって考えてみた-Black tee thinking

50代、海外在住です。日々気づいたことを書き溜めています。

政府による花粉症対策 ~ 我々は政治に何を求めているのか(2023年4月11日)

なぜ急に政府が花粉症対策に乗り出したのか?少し前のニュースに対する私の率直な疑問だった。特に岸田首相の国会における発言で「社会問題と言っていいような問題」と表現していることに、少し違和感を覚えた。

但し、花粉症対策は以前から取組みがされているらしい。東京都では2005年に初めて花粉症を経験した石原元知事が対策強化に乗り出して、スギやヒノキの花粉を減らしたり、樹木の植え替えや間引きに取り組んでいる。政府レベルでも花粉症の実態把握や原因究明について、省庁横断的に対応がされていたようだ。

では何故「今」なのか。考えてみたが理由は見当たらない。想像に過ぎないが「最も政治的な軋轢がなく、大衆の関心を惹くことが出来るテーマ」だから取組を決めたのではないか。確かにスギ花粉の飛散量は今年は戦後最多とも言われていて、花粉症の有病率は20年間で2倍以上に増えたとも言われているが、既に対策を行ってきたテーマを、今改めて注力する理由には乏しい。

我々が政治に求めているものはなんだろうか。簡単に纏めると、集めた税金の使い方を決めることだ。インフラ整備や国防、社会保障など、国家や社会のニーズを把握し、先読みして財源を確保し、実行することが期待されている。確かに花粉症もテーマとしてはズレてはいないが、今回の決定に違和感や唐突感を感じる方も多いのではないか。

高い要求かもしれないが、政府に求めるのは「顕在化していないイシューを先読みして対応する」ことではないか。今後の東アジア情勢がどうなるのか、コロナのような新型の感染症対策はどうか、他にもテーマはたくさんある。そこで敢えて今「花粉症」をテーマに掲げるのは本当に正しいのか。数年した後に「人気取り目的でアドバルーンを挙げたが雲散霧消した」等と評価されないように、実効性のある取組を進めて欲しい。

 

(参考にしたサイト)

https://news.yahoo.co.jp/articles/b1d48a5846dce652950309dc79ef99be9dc6b9c9

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230408/k10014032371000.html

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230227/k10013992791000.html#:~:text=%E7%89%B9%E3%81%AB%E3%80%81%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E3%80%81%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%80%81%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D,%E5%A4%9A%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%81%A8%E4%BA%88%E6%83%B3%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

https://www.mcsg.co.jp/kentatsu/health-care/34229

https://www.env.go.jp/content/900406391.pdf