一歩下がって考えてみた-Black tee thinking

50代、海外在住です。日々気づいたことを書き溜めています。

これはディストピアか?~他国からのミサイル飛来警報で社会が混乱する状況の異様さ(2023年4月13日)

Jアラートの運用を問題視する意見が出ている。発端は言うまでもなく13日朝のアラートに伴う混乱だ。当初のアラート画面では「ミサイルが、08時00分頃、北海道周辺に落下するものとみられます。直ちに避難して下さい」と表示されていたという。これでは人々が動揺しても不思議ではない。鉄道の運転見合わせ等、影響は広範囲に及んだ。

この状況を野党は批判している。ただ、彼らの批判のポイントは正確性がないということのようだ。立憲民主党安住淳国対委員長「正確性がないと、国民への影響が大きい」と指摘している。このままでは「オオカミ少年になる」との懸念であり、これはこれで間違ってはいない。これが地震津波のような自然災害であれば。

そもそもJアラートは「安心・安全な社会の確立」も目的として設置されたものだ。世界規模で見ても、対象地域の国民に対して瞬時に警報を出す仕組みは例は稀ではないか。但し、当初計画は地震津波などの防災を主目的にしていたようだ。2005年の麻生安心・安全ビジョンのペーパーをみても防災、災害の言葉が目立ち、今回のような「武力攻撃」に関する記載は1か所に過ぎない。

確かに自然災害に対してはアラートを出して警戒を呼び掛けることは重要だ。地震津波も周期的に或いは突発的に発生してしまうものであり、それに対する備えは受動的になるより方法がない。但し、他国が撃ってくるミサイルに対して、ただアラートを出して社会全体に負担を強いている構図は、安心や安全の確保という点は必要かも知れないが、とても違和感を感じる。

他国から一方的にミサイルが飛んでくるので、警報をだして国民には注意を呼び掛けるが当該国には無抵抗を貫く。客観的に見ればディストピアではないか。13日のミサイル発射に対する日本の社会の動揺を報じる海外のニュース番組をみて、そのような印象を私は抱いた。イスラエルのような常に紛争の緊張を抱えている国であれば、そのようなこともあるが、彼らはしっかりと報復している。「撃たれたので注意してください」と騒ぐ一方、ミサイルを発射した国家には口頭での「厳重抗議」。別に好戦的になれということではないが、少なくともこの構図を異様だと感じる感覚は維持したい。

 

(参考にしたサイト)

https://news.yahoo.co.jp/articles/e0ba55c027c7347c6fa84f7ca4af2597e403208e

https://news.yahoo.co.jp/articles/102b86dee3ada1b6498b25e72a8a8f897a3b772f

https://news.yahoo.co.jp/articles/654dc37aaaded850bdd9ad8eb49b6838fbbe7fdb

https://www.fdma.go.jp/about/organization/post-18.html

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%A8%E5%9B%BD%E7%9E%AC%E6%99%82%E8%AD%A6%E5%A0%B1%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0#cite_note-8

https://www.fdma.go.jp/about/others/items/170524aso.pdf