一歩下がって考えてみた-Black tee thinking

50代、海外在住です。日々気づいたことを書き溜めています。

ダウン症のバービー人形~むしろ子供たちの自尊感情を傷つけることにならないか?(2023年4月27日)

マテル社が「ダウン症のあるバービー人形」を発表した。発売の狙いは「多くの子どもたちに、自分とバービーの共通点を見つけてもらいたい」とのことだ。英文のプレスを見ると「created to allow even more children to see themselves in Barbie, as well as have Barbie reflect the world around them」とあるので、ダウン症の子供たちと、その子供たちを取り巻く健常児(この表現も抵抗感があるが)を対象にしていることがわかる。

でも思う。それは大人の自己満足じゃないだろうか?

そもそもダウン症の子供たちも、その子供たちを取り巻く周囲の子供も、ダウン症についてどこまで理解しているのだろうか。バービー人形の対象年齢は3歳からとなっているので、コアとなるゾーンは3-5才くらいではないだろうか。そして、それくらい年齢のダウン症の子供たちは自分が人と異なることやダウン症の症状、特性についてどの程度理解しているのだろうか

方向性は間違っていないが、自分が他人と大きく異なることを意識させるのは3-5才は早すぎやしないか。健常児との違いを意識させることは大事だが、それは自尊感情を保ちながら、自分自身の特性や得手・不得手を理解させる必要があるから難しいのだ。

マテル社は他にも車椅子や補聴器、義肢を使うバービー人形を発売しているらしいが、ダウン症の人形はより難しい問題を惹起する可能性があることを強く懸念している。