一歩下がって考えてみた-Black tee thinking

50代、海外在住です。日々気づいたことを書き溜めています。

Appleが無敵の消費者金融業者になる蓋然性(2023年4月29日)

Appleによる貯蓄口座提供開始を契機に再び金融業者としてのAppleが注目を浴びている。現時点においてAppleが提供してる金融サービスはまだ限定的だ。アップルカードとBNPL(Buy Now Pay Later)、Phoneアプリのウォレットに加えて、ピア・トゥー・ピアレンディングも行っているらしい。個人向けの金融サービスに集中しているのが特徴だ。

Appleが個人向けサービスにリソースを集中するのは合理的な選択だ。Appleのメイン事業であるスマホやコンピュータは法人販売もあるが基本的に個人ユーザー向けだAppleの顧客は高いロイヤルティで知られているので、熱心なAppleユーザーは金融でもAppleを利用する可能性が高い。更にiPhoneの端末は比較的高価なので、ユーザーの平均年収は高めになるだろう。

しかもApple消費者金融においてすさまじいアドバンテージを抱えている。消費者の行動記録だ。そこには決済分も含まれる。現時点でWebを調べる限りではAppleはカード発行にあたって各ユーザーの取引履歴を活用していないようだが、仮に今後、iPhoneユーザーが無担保借入を行う際にAppleのウォレットアプリでの決済記録や日々の行動記録を参考に出来る形になれば、利用枠は更に大きくなる。

この手法はプライバシーの問題があるが、法的に許容されるのであればAppleの金融サービスの展開に大きく期待が持てる。また、ユーザー視点でも特に金利が安くなる可能性があるユーザーは、自分の決済や行動の記録を積極的に開示するのではないか。どうせApple社が握っている情報なのだ。何の不都合もない。