一歩下がって考えてみた-Black tee thinking

50代、海外在住です。日々気づいたことを書き溜めています。

ピザハットのデリバリー有料化は正しい判断か (2023年4月18日)

日本ピザハットが配達料の有料化を発表した。あまり意識したことはなかったが、日本に出店して以来、配達料は無料していたらしい。今後は1回につき250円の配達料が発生するそうだ。

配達料をこれから請求するには、今は環境が整っている。様々な費用が高騰しているうえに、ウーバーイーツ等が普及して配達料を別途支払うスタイルが定着しつつあるからだ。ウーバーイーツの配達手数料は50円から550円とばらつきはあるが、250円という水準であれば妥当ではないか。

但し、配達料有料化の判断は正しいのだろうか。ピザは宅配のイメージが強いメニューだ。デリバリーサービスでもピザは種類が多く、目移りしてしまうくらいだ。それなのに配達料を有料化してしまえば、デリバリーサービスを通じてピザを注文するやり方と競争条件が揃ってしまい、コスト比較がされやすくなってしまう。

それでも配達料を有料にしたのは何か理由がありそうだ。配達料が無料の場合、ピザ1枚だけの小口注文が多くなるため、それを回避するための方策かも知れない。配達料が有料であれば注文を多めにして「元を取ろうとする」可能性が高い。しかし配達料が無料の場合、1枚でも気軽に注文出来てしまうので、それを回避するためなのだろう。

むしろ配達要員を全廃して、配達はデリバリーサービスに任せてしまう選択肢はなかったのか。ピザレストラン業務と配達業務にシナジー効果は期待できないので、その方が全体的なコストは下げられる可能性が高い。今の状況であれば、むしろ配達はアウトソースするほうが合理的ではないか。

恐らくは配達時の品質管理を撤退したかったのではないか。そうであれば配達サービスを自社で抱える選択肢はある程度納得できる。それでも配達の有料化は正しい判断だったのだろうか。今後の推移を見守りたい。