一歩下がって考えてみた-Black tee thinking

50代、海外在住です。日々気づいたことを書き溜めています。

クレムリンへのドローン攻撃~裏の裏の更に裏を読む (2023年5月3日)

本日のモスクワ時間午後、ロシア大統領府はモスクワのクレムリンにドローン攻撃があったと発表した。攻撃の瞬間を捉えたとされる動画も出回っている。衝撃的な内容だが、本当に攻撃があったのか色々考えてみた。

タイミング的には絶妙だったことから、ウクライナの攻撃だった可能性が高い。来週火曜日には対独戦勝記念日を控え、国の威信をかけたパレードも行われる直前なので、このタイミングでロシアの偽旗作戦を敢えて行うのは考えにくい。

ウクライナへの大規模攻撃や二次動員を正当化する口実になるという点で、偽旗作戦の可能性も残る。依然としてロシアはバフムトの完全掌握に至っていない。その中で大規模なオペレーションや国民に不人気な二次動員を行う口実として、今回の事件は格好の材料になる。

クレムリンの防空体制が杜撰であることが明らかにされてしまった点を考慮すると、ウクライナの攻撃のほうが信ぴょう性が高そうだ。モスクワには何度か訪れたことがあるが、クレムリンは日本で言えば江戸城と同じようなロケーションだ。街の中心部且つ最重要区画の上空までドローンの侵入を許したということは、クレムリンの防衛責任者の首が飛ぶほどのインパクトがあり、偽旗作戦とは考えにくい。

ドローンの種類からウクライナの攻撃を疑う意見もあるが、どちらの可能性も考えられる。動画を見る限りでは自爆ドローンは小型でありウクライナ領域から飛来できないタイプだが、ロシアに侵入した部隊が実行した可能性もある。これはウクライナ攻撃、偽旗、両方の可能性が考えられる。

なので、これらを考え合わせると、やはりウクライナの攻撃の可能性が高そうだ。

手段についても考えてみた。素人の想像の域を出ないが、クレムリンの近くに爆弾を積んだドローンを隠しておいて、深夜に完全自律飛行で自爆攻撃を加えたのではないか。最近は赤の広場は完全に封鎖されているが、すぐ近くには住宅地もあり、そこまで警備の目が行き届かない可能性もあるからだ。

ロシアの友人に言わせると、今回の攻撃がモスクワ市民に与えたインパクトは大きいらしい。そういう意味ではウクライナの攻撃は成功だったかもしれないが、結果としてロシアの大規模攻撃の機会を作ったことにならなければ良いが。